Column

介護現場を変える
「介護記録のIT化」

介護の現場が抱える問題

現在の介護業界は、慢性的な人手不足が大きな問題となっています。業務に追われ、時間内に介護記録の記載ができず残業が慢性化していたり、スタッフの離職に伴う業務の増加や、入居者とのコミュニケーション不足が常態化している、このような状況の介護現場は多く見られます。2025年には介護人材が37.7万人不足すると予想されており(表1)、恒常的な人材不足が続く介護業界にとって、業務効率の改善は早急に対処すべき課題です。
厚生労働省も文章量の軽減、事務の効率化、生産性の向上を目指し、ICT化の導入を推進しています。

表1:介護人材にかかる需給推計
表1:介護人材にかかる需給推計

出典:2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)

厚生労働省も文章量の軽減、事務の効率化、生産性の向上を目指し、ICT化の導入を推進しています。
労働力制約が強まる中での医療・福祉サービスの確保に向けて
(医療・福祉サービス改革プラン)
ロボット、AI、ICT等の実用化推進、データヘルス改革
ロボット、AI、ICT等の実用化推進、データヘルス改革
出典:厚生労働省 「2040年を展望し、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現にむけて(平成30年10月22日)」6頁より(強調引用者)

介護現場を圧迫する「書類作成」業務

入居者一人ひとりを把握するための「介護記録」。この記録は多くの場合手書きで作成され、1つの記録をスタッフ間で共有します。このため現場スタッフは介護記録の書類作成や内容の引継ぎに多くの時間を費やし、慢性的にリソースが圧迫されています(図1)。

介護現場を圧迫する「書類作成」業務
図1:介護労働の現状について
図1:介護労働の現状について
出典:公益社団法人 介護労働安定センター「介護労働の現状について 平成28年度介護労働実態調査」28頁より(強調引用者)

介護スタッフの「やりがい」

介護労働実態調査(図2)では、現場スタッフの多くが介護を「やりがいのある仕事」だと認識し、介護現場に従事していることが分かります。介護を通じた入居者とのふれあいが、スタッフのモチベーションに繋がるのではないでしょうか。
先述した書類作成などが「やりがい」に繋がる時間を圧迫しているのであれば、IT化を進め業務効率の改善につとめることが、入居者とのコミュニケーションの増加、介護の質の向上など、スタッフの「やりがい」に繋がると考えられます。

護スタッフの「やりがい」
図2:現在の仕事を選んだ理由
図2:現在の仕事を選んだ理由
出典:公益社団法人 介護労働安定センター 「介護労働の現状について 平成28年度介護労働実態調査」48頁より

介護現場のIT化のメリットとデメリット

IT化を進めるにあたり、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
ここでは、介護記録ソフトを導入した際に得られるIT化のメリット、またデメリットについてご紹介します。

IT化のメリット
介護の現場でITを導入した場合のメリットとして、業務効率化により少人数でも業務を行えること、また、事業所内外の情報共有が容易になることなど、様々なメリットが考えられます。以下、IT化により得られるメリットです。
    • 01
    • 業務を効率よく
      進めることができる
    紙の記録では、介護中に介護記録を細かに記載することが難しいため、記録をメモ書きし、後に介護記録に清書するという介護士の方も多いのではないでしょうか。介護記録のために残業が発生しているのであれば、それはIT化により解決が可能です。
    iPadなどのIT機器を用いれば、測定と同時に本体の記録システムにデータを飛ばすことができ、改めて記録し直す必要がありません。さらに、入浴介護の際など手が離せない折にも体温・血圧等の情報をカンタンに閲覧することができます。介護記録ソフトはITシステムを利用してデータを管理するため、調べたい情報もすぐに検索可能です。情報検索や記録の手間が大幅に軽減し、業務の効率化を実現します。
    • 02
    • 介護にかける時間を
      増やすことができる
    記録した内容を申し送りに反映することも可能です。介護記録と申し送りを別々に書く手間がなくなり、書類作成に費やす時間を大幅に削減することで、介護やケアに注力できる時間が増えます。
    介護にかける時間を増やすことができる
    • 03
    • 情報共有が
      簡単にできる
    介護記録ソフトを利用することで、事業所内外での情報共有が容易になります。事業所内の場合は、当日のバイタルや飲水などの細かな情報や、申し送りなどもiPadやパソコンから閲覧することができます。日誌などの帳票類についても、記録と同時に決まったフォーマットへ反映されます。介護記録ソフトを利用することで、情報共有の手間を大幅に削減できます。
    • 04
    • ご入居者様の満足度が
      向上する
    介護記録に費やす時間が減ると、その分ご入居社様と接する時間を増やすことができます。システムを使うことよって記録の転記ミスなども無くなり、スタッフの心に余裕ができることで、介護の質の向上、ひいてはご入居者様の満足度の向上が期待できます。
IT化のデメリット
介護の現場でITを導入した際に考えられるデメリットはどのようなものでしょうか。
以下、IT導入におけるデメリットです。
    • 01
    • IT機器の操作になれる
      必要がある
    新しい機器を導入すれば、職員一人ひとりにIT機器や介護記録ソフトの操作を覚えてもらう必要があります。
    パソコンやiPad等のIT機器に苦手意識を持つ方もいらっしゃるので、介護記録ソフトの選定時にはシステム提供事業者が操作研修などを実施しているか確認すると良いでしょう。
    • 02
    • 機器導入に初期コスト
      がかかる
    介護記録ソフトやIT機器を導入する際、多額の費用がかかる場合があります。また、導入から数年後にシステム更新のため、導入時とほぼ同額の費用が必要になるケースもあります。
    最近では、介護記録ソフトを買って所有する形態ではなく、月額でサービスを利用できるクラウド型の介護記録サービスが登場しました。介護記録ソフトやIT機器の種類によって費用は異なりますが、一定の月額費用でサービスを利用できるクラウド型のサービスを選択することで、導入コストや更新費用を抑えることが可能です。

まとめ

「誰かを笑顔にしたい」「やりがいを感じたい」「高齢者を支えたい」といった想いをもって介護の職を目指した介護士やケアスタッフの方々は、事務作業に追われる日々にもどかしさを感じることもあるのではないでしょうか。
介護現場のIT化では、IT機器への不慣れなどのデメリットよりも、ITを導入することで得られるメリットの方が大きいでしょう。介護に多くの時間を割き、介護の質の向上を図り、スタッフの皆さま、ご入居者の皆さまの笑顔を増やすのは、介護現場のIT化です。
「コメットケア」は日常の事務的業務を効率化し、よりよい介護の手助けになればと考えています。

※iPadは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。 以上

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