Column

介護現場を変える
「介護記録のIT化」注意点

前回、介護現場を変える「介護記録のIT化」のメリット、デメリットについてお話をしました。
今回は、実際に「介護記録のIT化」を始める際の注意点について考えてみたいと思います。

介護記録IT化の注意点
IT化における注意点は様々なものがありますが、その中でも実際に導入、使用する際に必要な注意点を以下にまとめました。
  • 01
  • 介護記録のIT化は「インプット」だけでなく
    「アウトプット」の利便性を検討すること。
  • 02
  • 介護記録をIT化すると記録内容の閲覧がカンタンに。
    ただしセキュリティについて注意して検討すること。
  • 03
  • IT化したのに定型文だけで満足するのはもったいない!
    定型的な部分は極力定型化できるシステムを検討すること。

以下で、それぞれ詳しくご説明します。

    • 01
    • 介護記録のIT化は「インプット」だけでなく
      「アウトプット」の利便性を検討すること。
    「介護記録システムを導入したら紙に戻れなくなりますよ。」と言われると「本当に?」と思われるのではないでしょうか。 介護記録システムをやめ、紙で介護記録を取る形態に戻すことはもちろんできますし、紙で記録をしていても、介護記録システムを導入しても、介護の記録そのものは取れます。
    しかしながら、紙に記録をしている場合、ほかの紙に転記する作業がどうしても発生してしまうんです。

    これが介護記録システムであれば、検索条件を設定してポチっとボタンを押すと、あっという間に必要な帳票ができあがります。介護システムが最も得意とする部分、それは記録を取ることではなく、記録を吐き出すこと。いわゆる「インプット」より「アウトプット」こそが、システムが最も得意とするところなのです。
    IT化すれば、ある介護記録が欲しいからといって、分厚いファイルから必要な介護記録が記載されている紙を探す必要はありません。iPad等が使える介護記録ソフトであれば、iPad上で必要な情報にアクセスもできます。

    介護記録のIT化を進める際は、そういった「アウトプット」の利便性にも注意してシステムを選定すると良いでしょう。
    • 02
    • 介護記録をIT化すると記録内容の閲覧がカンタンに。
      ただしセキュリティについて注意して検討すること。
    介護記録システムも様々ありますが、介護記録システムをクラウド化することにより、介護記録がiPad等の端末でどこでも閲覧できるようになります。

    例えば、入居者様の具合が悪くなった場合、早急に病院に行き、診察の際、医師に介護記録を見せるかと思います。この時、紙で介護記録を取っていると、ファイルを何冊も用意してから、または該当するファイルを探し出してから病院へいかなければいけません。たとえIT化していたとしても、外部のネットワークにつながっていない介護記録システムの場合、該当する介護記録を印刷して持参しなければいけない可能性もあります。

    その点、クラウド化された介護記録システムであればiPad1つを持参し、病院で画面を表示しながら医師に介護記録を見せることが可能です。もちろん、病院で介護記録を閲覧できるのですから、クラウド化された介護システムであれば、本社などの現場から離れた場所でも介護記録を簡単に見ることができます。

    ただし、この時に注意が必要なのはネットワークのセキュリティです。介護記録は個人情報の塊です。アクセスするネットワークも、アクセスする先のクラウドも、きちんとセキュリティ対策が施されクラウド化された介護記録システムを選定することで、外部との情報共有など、様々な場面への対応が可能となるでしょう。
    • 03
    • IT化したのに定型文だけで満足するのはもったいない!
      定型的な部分は極力定型化できるシステムを検討すること。
    介護記録での文言統一は思っているより難しいものです。文章には人それぞれの癖があり、同じ内容を書いていてもニュアンスが変わることがあります。これを防ぐために、コメント欄に定型文が設定できる介護記録ソフトはたくさんあります。ただ、定型文だけで満足して本当にいいのでしょうか?

    介護記録は、実施した内容、その時の状態を記録しますが、実施した内容についてはそれぞれ一意のボタンを設定するなどして、そこから選んだほうが楽ですし一定の内容で記録できます。また、年々増えている外国人介護士の方なども、母国語ではない日本語で介護記録を記載するより、一意のボタンを選択するほうがより間違いなく迅速に介護記録がつけられるのではないでしょうか。

    さらに、自由記述のコメント欄ですが、これは定型文の活用はもちろんのこと、介護時の入居者様の表情も定型化し記録できれば、これも人による記録の差異が無くなり、ニュアンスの違いから生まれる認識の違いも無くなりますよね。
    任意に記載できる温かみは残しながら、定型化できるところは極力定型化することにより、一律の介護記録となり後々活用しやすい記録となるのではないでしょうか。
    介護システムを選ぶ際には、定型的な情報は選択できる、または設定ができるシステムかどうかも注意しながら検討すると良いでしょう。

まとめ

これらのことを気にかけて介護記録のIT化を進めてみてはいかがでしょうか?
介護現場のIT化における注意点についてのお話でした。

※iPadは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。 以上

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